音MAD制作で使えそうな 独断と偏見に基づく何かをちょっとだけ

―この記事は 音MAD Advent Calendar 2018 18日目の記事です。―

 


 

 

この記事は僕がここ3年間とちょいくらいで得た制作の知恵だったり作る上での考え方だったりを基に、Tipsみたいなものを浅く広く書いて残しておくものです。

なので大まかな目安として、音MAD制作歴が3年以下くらいの方はある程度この記事も参考になるんじゃないかと思います。あくまでも目安です。

 

あと多分かなり持論が含まれると思うので、飲み込めない部分は適当にスルーしてください。

 

また、僕は音声をREAPER、動画をAviUtlで作っているので、特に指定が無い限りはこの2つのソフトを使用している前提で書いていきます。

 

 

 

 

音声編

 

音MADが音MADたる所以である部分のいろいろです。

 

???「リバーブ?あぁなんかとりあえずかけとくといい感じになるよね」

 

各トラックに全部同じ設定のリバーブをとりあえずで突っ込んでる人は結構いるんじゃないかと思います。少なくとも僕はそうでした。

更にその中に、とりあえずでめっちゃ響きまくる感じの設定にしている人もそれなりにいるんじゃないかと思います。少なくとも僕はhogehoge。

 

DTMにおいて、リバーブは基本的にMIXの段階で空間再現をするために使われます。

色んなスタジオで収録した楽器の音を同一のスタジオで収録したように聴かせて継ぎ接ぎ感みたいなのを無くすみたいな感じだと思います。

要するに一般的*1には収録スタジオの反響を再現するために使われると言うことです。

 

それを踏まえた上で今一度自分がどのようにリバーブを使っているかを考えてみましょう。

音像ボッケボケになってはいないでしょうか。

『自分はこういう音作りなんだよ』と主張するのは構いませんが、『この素材ってもしかしてお風呂で収録されたんですか!?』なんてコメントをされないように気をつけましょう。

 

人力ボーカロイドに対する個人的な考え方と手法

 

多分一番書きたかった項目。

 

人力とは何か説明しろと言われたら"素材に歌わせる"とかそんな感じだと思います。

しかし、好きなキャラ等で人力をしよう!となったときに"○○(キャラ名)に歌わせる"と言うとちょっと違和感を覚えます。そういう趣味の方もいらっしゃるかもしれませんが。

個人的にはそこで"○○に歌ってもらう"と表現したいところです。

けれども、普通に歌詞に合わせて五十音素材をグリッドに並べてKeroVeeとかかけて…とかだったりUTAU音源を作って調教して…とかしてみたものはどう頑張っても"歌ってもらった"と言うよりは"歌わせた"という表現がお似合いだと思います。

後者はクロスフェードやらポルタメントやらピッチベンドやらビブラートやら色々調整できる項目が多く、頑張ればそれなりにぽい感じにはなりますが、そもそも母音を伸ばすアルゴリズムが声を楽器にするのに特化している*2ため限界がありますし、前者はもう論外と言ってもいいでしょう。

要するに何がいいたいかと言うと、いつしか僕は人力に人間らしさを追求したくなったのです。

 

念のため、これらの説明がわかりづらいという人向けにそれぞれの例を貼っておきます。

 

こちらが"○○に歌わせる"を意識した音声。

 ※adblodk等の拡張機能によっては表示されない可能性があります。

 

こちらが"○○に歌ってもらう"を意識した音声。

今年の1月頃に作った183音声です。約一年も経つと荒が目立ちますね。

※adblodk等の拡張機能によっては表示されない可能性があります。

 

まだまだこれでも不完全ですが、この項目では2つ目の感じを目指す手法を書いていきます。

違いがわからないという方は読み飛ばしてもいいかもしれません。

 

1.素材集め

前提としてキャラソン等で素材に歌声があることです。

普通に会話しているときと歌っているときの声は全然違うので、例えばアニメ本編の会話シーンから抜き出すとかはしないほうがいいです。

ゲームのキャラだったり特に歌わないCM素材だったり単純にソロで歌ってる曲が無かったりあってもInst版が無くて素材にならなかったりで歌声なんてどこにもないという場合は、そもそも人力という手法を使わないか"歌わせる"方面にシフトしましょう。

ここで無理にセリフ素材等で頑張ろうとすると不気味の谷現象みたいなものが発生したりしなかったりします。

また、ちょっと賛否両論ありそうな素材収集の方法もあります。

詳しくは次の中見出し"人力ボーカロイドの素材収集"をご覧ください。

 

キャラソンとかだったら歌声リップとかして無事に歌声をゲットできたらOKです。五十音を一音ずつ切り出すとかはしなくていいです(理由後述)。

ちなみに歌声リップではなくREAPERでやる方法もありますが、多分歌声リップの方が精度がいいです。これは歌声リップは周波数合成アルゴリズムでできるのに対してREAPERは(多分)波形合成を使うからなんじゃないでしょうか。

 

2.歌の歌詞を平仮名でテキストファイルに書き出す

必要な文節を検索するためのものです。

文字じゃなくて文節です。場合によっては文字単位になることもありますが。

例えばyouの歌詞 "あなたは今どこで何をしていますか" で人力するとしたら、 "あなたは" "いま" "どこで" "なにを" "していますか" といった感じで歌詞を区切ってテキストエディタ*3で検索します。

また、"していますか" は多分検索しても中々引っかからないと思うので、ダメそうであれば "しています" と "か" に分けてもう一度検索してみましょう。

こんな感じでなるべく区切りが少なくなるように素材を探していきます。

 

文節に拘る理由については、音素をまとめて回収しつつ声質を統一するためです。

音素の説明は面倒なのでこちらのページに丸投げさせてもらいます。

音素さえ問題なさそうならば一文字ずつ切り出してもいいのでは?と思う方もいるかもしれませんが、例えば裏声地帯の素材と地声地帯の素材がごちゃ混ぜになると変になるのは想像できるかと思います。

裏声と地声は顕著な例の一つですが、地声同士や裏声同士でも違うタイミングで発した音同士ではこういった声質の差が生じがちです。

なるべく連続的な素材を使うのは、そういった声質の差問題を簡単に解決する手段と言えるでしょう。

 しかしこれは逆説的に言えば、きちんと声質が尊重されるのであれば必ずしも文節に拘る必要はないということです。

『"あなたは" と "いま" がそれぞれ1件ずつしかヒットせず、しかもその2つは地声と裏声並に連続性が無い。だが "あなた" "は" "いま" と分けてみるとお互い似た声質かつ音素も問題ない部分がヒットした。』といった場合には文節よりも声質を優先して "あなた" "は" "いま" と組み合わせましょう。結果として自然に聴こえることが最優先です。

  

 3.REAPERで歌詞通りに並べる

2の項目で使う部分を絞ったら並べてみましょう。

複数引っかかったところは全部聴いてみて一番使えそうな部分を感覚で選びましょう。わかんなかったら全部試してみましょう。

現段階ではグリッドに合わせて並べればいいですが、そのままだと不自然な部分が出てくるので後々この辺も調整していきます。

 

『音素や声質的にこの部分しか素材候補にならないが、母音を[伸ばさな/伸ばし]すぎている。』といったこともあると思います。

使いたい素材が長すぎる場合は余分な母音をカットしてクロスフェードしちゃいましょう。

重要なのは音素を失わないように自然に短くしてあげることです。

逆に使いたい素材が短い場合は、足りない分の空白を開けておきましょう。

後の工程で引き伸ばすので今はそのままに。

※ただし、長いのを短くするのに比べて短いのを長くするのはかなり自然さが失われる行為です。

ほんのちょっと足りない程度であれば引き伸ばしでどうにかなる範囲だったりしますが、1小節丸々足りないと言ったようなケースは、母音だけ別の部分から持ってきてクロスフェードすることで対処し、それでも足りない場合だけ引き伸ばしましょう。

引き伸ばしは最終手段です。

並べ終えたら範囲選択をしてそのトラックだけレンダリングしましょう。

レンダリングの際にVSTは特にかけなくていいと思いますが、ローカットやピッチシフトの邪魔になるような特定帯域のノイズを削るためにEQをかけたりするのはアリだと思います。

 

4.VocalShifterでピッチシフト

レンダリングした音声をVocalShifterで読み込みます。

プロジェクト→プロジェクト設定からテンポを設定するとやりやすくなると思います。

素材が短いまま放置してたところはここで伸ばしちゃいましょう。

ここから音程を変えていくのですが、ポイントとしては最初の段階ではペンツールと直線ツールは使わないことMIDIのピッチ(黄色い線)をコピペしないことです。

そういったツールは素材の人間味を殺しやすいためですね。

よって、ピッチシフトは選択ツールかノート編集ツールでやっていきます。

この2つの使い分けに関しては感覚的になんとなくでやってますが、ほとんどノート編集ツールでやってなんか不都合が出てきたら選択ツールでいいと思います。

大方できてきたら、前後の繋がりに違和感がある部分の素材を変えてみたりペンツールで微調整したりしましょう。

素材を変える場合は、REAPERに戻って素材を置き換えて先程と同じファイル名でレンダリングしてVocalShifter側でアイテムを右クリックして音声ファイル差し替え(編集データ保持)を実行して置き換えた該当部分だけAltを押しながら右クリックでピッチを戻してまたピッチシフトをし直しましょう。

大体歌ってる感じになったら書き出しましょう。

ハモリパートも作る場合はその分も同様にがんばりましょう。

 

ちなみにVocalShifterではなくMelodyneでやる方法もありますが、実際やってみると人力においてMelodyneはかなり使いづらいなぁという感想に落ち着いたので割愛します。

 

5.クロスフェードで繋がりを調整

先程書き出した音声をREAPERに読み込みます。

必要な場所でアイテムをカットしてクロスフェードをかけます。

この工程は最初に素材を並べた段階でやってもいいのですが、そうするとVocalShifterで読み込んだ際にピッチ検出がうまくいかなかったりノート編集ツールのノート検出がうまくいかなかったりします。

ノート検出に関しては自分で結合したり分割すればいいのですが、ピッチ検出がうまくいかないのは致命的です。

よって僕はこのタイミングでクロスフェード処理をします。

ここまできて違和感が残っている部分は素材を変えてやり直すか諦めるしかないです。

あとはブレスを配置したりVSTをかけたりして完成です。

 

かなり駆け足で画像も使わずに書いたので結構分かりづらいところが多かったんじゃないかと思います。

もし参考にしたかったがよくわからなかったという人がいたら後日別の記事でもう少し詳しく書こうと思います。

 

人力ボーカロイドの素材収集

 

この世には二種類のキャラクターがいます。

人力で使える素材があるキャラと無いキャラです。

しかし、無いからと言ってはいはいそうですかと諦められるものでも無いと思います。

ここではそんなときに使える素材収集の方法を書いていきます。

 

近年の音MADではよくシンセ化した素材が使われ、そのシンセ化ばかりの音MADを批判する人がいます。

よく聞く理由としては、素材の味を殺しているからといったものです。

つまり、元の素材と音がかけ離れてしまい、その素材の音には到底聞こえなくなってしまうからダメということでしょう。

僕もそれに関しては概ね同意です。

で、更にそのもう少し先のことも思いました。

『結果としてその素材のように聞こえれば、使う素材は全然関係ないものでもいいのではないか。』といったものです。

前にTwitterで唐揚げの画像を加工して爆発シーンを作るみたいなツイート*4が回ってきましたが、そんな感じのものと通ずるものがあるんじゃないかな~と思っています。

 

遠回しな入り方をしましたが、具体的にどういった方法で素材を収集するかと言うと、人力したいキャラと同じ声優のキャラから素材を持ってくるという方法です。

 

どうでしょう。

それはダメだろって言う人は結構いるんじゃないかと思います。

でも僕はそうやって素材を集めますし、オススメもしちゃいます。

あと別に素材があるキャラでもそうやって集めておくと使える素材の選択肢が多くなっていいですよ。

 

動画編

 

???「縁取り? かけてるよ! 見やすくなるよね!」

 

みんな大好きAviUtl。

最近では高機能なスクリプトが多数開発され、ソフトもプラグインも(ほぼ)フリーでありながら月額数千円するAfter Effectsと同等の機能があったり、むしろAviUtlでないとできないこともあったりします。その逆も然りですが。

しかし、だからと言ってAviUtlの力*5を過信するのはよくありません。

この項目ではそんなAviUtlの粗を、フィルタ効果の縁取りを通して見ていきます。

 

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AviUtl標準の円です。

図形の初期値を変更していない限りは、図形を配置する度にこんな感じになると思います。

 

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次に、先程の円に縁取りをかけてみました。

色はわかりやすくするために赤くしましたが、サイズとぼかしは両方デフォルト値(3,10)です。

では、ここから縁取りの設定をいじってみましょう。

 

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サイズを21に変更しました。

あれ……?なんか縁取りが綺麗な円じゃなくなってる?

もう少しサイズを大きくしてみます。

 

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サイズを100に変更しました。ついでにわかりやすさ重視でぼかしは0にしました。

流石にこれは一目瞭然だと思います。

明らかに縁取りが円ではないですよね。

 

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 ここまでの画像を見てもピンとこない方向けの比較画像。

右が先程の縁取りです。

これはこれで使い道があるかもしれませんが、縁取りとしての理想形は左だと思います*6

 

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お次に四角形にも縁取りをかけてみました。

特に文句は無いでしょう。

 

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菱形にもかけてみました。

明らかにおかしいですよね。

四角形のときと比べても角度しか変わっていないのに、縁取りの形は大きく変化しました。

円のときはサイズの値を小さくすればあまり気にならいレベルだったかもしれませんが、これに関しては小さくしていても目立つので要注意です。

しかし、「俺別にいつも縁取りぼかしまくってるから関係ねーし…」という方もきっといるかと思います。

なので次は縁取りのぼかしにも触れていきます。

 

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同じテキストを二つ用意し、二種類の縁取りをそれぞれぼかしを強めに設定してかけてみました。

この二つのうち、上のテキストにかかっている縁取りが標準で使えるフィルタ効果の縁取りです。

これも違いは一目瞭然ですね。

下の縁取りの方が圧倒的に綺麗なぼかし具合に見えます*7

 今回はあえてサイズもぼかしもわかりやすい程度のかけ具合に設定しましたが、普通に使っていても十分に目立ちます。

以上のことから、AviUtlのフィルタ効果の縁取りは安易に多用していいものではないことがわかるかと思います。

 

じゃあ縁取りしたいときどうすりゃいいんだよ

 

きっとこれまで縁取りを使ってきた方はここまで読んで小見出しみたいなことを思うんじゃないかと思います。

というわけでここからは縁取りの代替エフェクトを紹介していきます。

まずはぼかさない縁取りから。

 

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図形にティムさんの輪郭追跡、テキストにUndoFishさんの文字用輪郭追跡をかけた画像です。
僕としては基本的にこれが正解なんじゃないかなと思っています。

ちなみに文字用だろうとそうでなかろうと結果に大差は無いです。

となると図形もテキストも文字用輪郭追跡で処理すればいいんじゃないかと思うかもしれませんが、文字用だと線幅がトラックバーで制御できなくなっているので個人的には非文字用でできる範囲は非文字用を使うようにしています。

 

輪郭追跡のデメリットも挙げておきます。

まず、輪郭追跡にはぼかしの設定項目がありません。

どちらもリンク先の紹介動画のような使い方を想定されているので当然でしょう。

一応輪郭のみ表示するモードもあるので2レイヤー活用すればぼかせないこともないですが、面倒なのは事実です。

ぼかさないものと割り切ってしまってもいいでしょう。

次に、画像を見た瞬間に思った方もいるかと思いますが、角が丸くなります

これに関しては賛否両論あるんじゃないかと思います。

僕のように角の角度(?)によって形が変わらないことを好む人がいる反面、丸くなるくらいなら標準の縁取りを使うという方も少なからずいるだろうと思い、デメリットとして挙げました。

もしこれらの折衷案となるようなものの存在を知っている方がいたら是非教えてください。

そして一番の問題点として、切り抜き画像には使えないケースが多いです。

 

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切り抜き画像に輪郭追跡をかけた例です。

腕と腕の間にある空間が縁取られていません。

 

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同じ画像に文字用輪郭追跡をかけた例です。

なんかエグいことになってますね。

ということで次は切り抜き画像の際の縁取り案です。

 

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kaisatsuさんのなめらか縁取りをかけてみました。

普通の縁取りと比較したい方はリンク先のツイートの画像をご覧になるのが早いと思います。

ここまで書いて思ったんですけどリンク先の画像を見ればこんな長ったらしく説明しなくてもスパッと解決した説ありますね。
では次にぼかし縁取りの代替エフェクトも見ていきます。

 

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kaisatsuさんの光彩です。

僕はこれをよく使っています。

手軽で処理も重くないですしいいですね。

 

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標準のシャドーをX,Y両方0にして濃さ100拡散50くらいにしたのを薄かったので二重にかけてます。

これもアリだとは思いますが、テキストにかけたときに少し明暗差が目立ちます。

とは言え実用レベルですし、光彩とシャドーどちらを使うかはお好みでいいかもしれません。

 

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輪郭追跡の話でちょっと触れたやつです。

コピーレイヤーを作って見た目上の下レイヤー*8に輪郭のみ表示の輪郭追跡をかけてそれをぼかしています。

手間と処理速度の割には光彩と大きな差は無いと言えます。

故に僕は大体の場合、光彩を使ってぼかし縁取りをしています。

 

長々と縁取りについて語りましたが、他のエフェクトでもこんな感じで語れる粗があったりなかったりします。

普段自分が触れているものが本当に信じていいものなのか、今一度見つめ直してみてはいかがでしょうか。(丸投げ)

 

ダンロボマッド…ァ…コーポレート・ロゴ…アァ……

 

最近はナユタンMAD、特にダンスロボットダンスの音MADがかなり増えましたね。というか今だとダダダダ天使の方が勢いあったりしそうですね。

その影響か、音MAD作者内ではナユタンMADに限らずともコーポレート・ロゴの知名度や使用率が結構上がったんじゃないかと思います。

そんなコーポレート・ロゴに対しての個人的な意見と工夫をダンロボMADでの話を中心に書いていきます。

 

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ナユタン星人さんの楽曲ダンスロボットダンスのMVのスクリーンショット

黒い文字のフォントはコーポレート・ロゴB ver 1.0です。

現在配布されているバージョンは1.1なので、持ってないけど再現したいという方はどうにかしましょう。

 

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再現したやつです。

で、ここからが本題ですが、その前にこのフォントに関する話を少ししておこうと思います。

 

『「コーポレート・ロゴ」フォントは「M+フォント」に、独自のひらがな・カタカナデザインを乗せたものになります。』 - 同梱のテキストファイル*9より引用

この言葉通り、コーポレート・ロゴというフォントはオリジナルのひらがな・カタカナ(以下「かな」と称する)とM+を組み合わせたものになります。

これをもう少し違う言い方にすると、かなは手が施されているものの漢字はノータッチということです。

よって、かなと漢字を併用する場合は使い手側で何かしらの調整をしてやるべきものと言っても過言ではないと思います。

その辺りを踏まえた上で先程の画像をもう一度見てみましょう。

漢字の主張が強いように見えませんか?

 

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わかりやすいように三行目の上下に大まかな横線を引いてみました。

線いっぱいのサイズな漢字に対してひらがなが圧倒的に小さいです。

線は引きませんでしたが、一行目もそんな感じになってるのがわかると思います。

というわけで調整してみましょう。

 

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大まかに漢字のサイズを調整してベースラインも整えました。時間がないのでかなとカナ同士のサイズやベースライン調整はしてないです。という予防線。抜き。

こんな感じで漢字のサイズを小さくしてみるだけでも元の状態よりは整って見えるんじゃないかと思います。

ここから更にカーニングの調整等もしていけばいい感じになりそうな雰囲気がありますが、とりあえずそこはノータッチ。

先程はサイズ感の差に触れましたが、そもそも漢字の形がかなに合っていないような気はしないでしょうか。

僕個人的には他にもっと相応しいものがあると思います。

よって次は混植を試してみます。

 

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かなは先程同様コーポレート・ロゴ、漢字はロゴGで置き換えてみました。

調整はかなり適当ですが、形を寄せたことで先程よりも整った印象を受けます。

元のMVを尊重しつつちょっとした改変でデザイン性を求めると、この辺りが妥協案になるんじゃないでしょうか。

次僕がナユタンMAD等でコーポレート・ロゴを使うことがあればこの辺の案を基に調整して使うと思います。

 

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で、こちらは全部ロゴGにしたやつです。

長体にする処理以外は特にいじってないです。

もはやコーポレート・ロゴ要素はどこにもないので、脳死でやっていいことではないんじゃないでしょうか。

しかし、元を考慮しなければナシでもない選択肢だと思いますし、動画によってはこのレベルで別のフォントを使っているものも既にいくつかあります*10

この辺は再現をどの程度までやっていきたいか次第でしょう。

また、ロゴGと似た方向性のフォントにG2サンセリフというフォントがありますが、こちらは収録されている文字の関係上ダンスロボットダンスの歌詞にもある"範疇"が入力できません*11

よってダンロボMADには使えないケースも出てくるので注意が必要です。

 

まとめると、

①コーポレート・ロゴをそのまま使う。

②コーポレート・ロゴの漢字を調整する。

③コーポレート・ロゴの漢字は他のフォントを使う。

④コーポレート・ロゴは使わずに別のフォントを使う。

という4つの選択肢があるということです。

数字が増えれば増えるほど再現度は低くなりますが、ちゃんと考えて調整できればデザイン性は確保されると言っていいでしょう。

また、ナユタンMADであればMV再現という名目もありますが、他の用途においては①を選ぶ理由は特にないと思います。

 

今回はナユタンMADにフューチャーして書いたためコーポレート・ロゴに焦点を当て続けましたが、同じようなことが言えるフォントは他にもいっぱいあります。

この項目が自分の使っているフォントを見つめ直す機会になっていただければ幸いです。

 

縁取りとモーションブラーの順番

 

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ここにテキスト見本があります。

これを右か左に高速移動しているものと見立て、モーションブラーをかけてみます。

 

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モーションブラーをかけたオブジェクトが移動中のフレームを切り取るとこんな感じです。

左右にブレているのがわかるかと思います。

しかし、たまに次の画像のようなものを見かけます。

 

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どっかに使い道があったりするかもですが、どういった効果なのかよくわかりません。

この画像はテキストにブラーをかけた後に縁取りをかけて作っています。

要するに縁取りとモーションブラーをかけてる順番がさっきの画像とは真逆なのです。

結果として『縁取られたテキストが移動し、それにモーションブラーがかかっている』というものとはかけ離れてしまいました。

しかし動画を色々と見ていると、こういった状態になっているものを多数見かけます。

で、これ実はAfter Effectsユーザーにありがちなんですよね。

After Effectsのレイヤースタイルというエフェクト群(?)が、モーションブラーとか全部処理した後に処理されてしまうためですね。

レイヤースタイル以外の方法で縁取りをすれば回避できるのですが、これに関しては色々調べてみても根本的な解決策は見つかりませんでした。情報求む

しかし、こうなるくらいであればモーションブラーか縁取りのどちらかは諦めたほうがいいレベルだと思います。という主張をしたかっただけの項目です。

いずれ解決策が見つかったらその方法は追記しておこうと思います。

 

19/07/13追記:いくら調べても解決策は見つかりませんでした。

上記のものよりメジャーな回避方としてはテキストのレイヤーだけで一度プリコンポーズするというものがありますが、少なくともTwitterでは2008年の時点から嘆かれている*12この問題をいつまでも放置しているadobeさんはどういった意図があるのでしょうね。

 


 

以上です。

文字数のわりに内容が薄いこと、冒頭で浅く広くとか言っておきながら全然広くないこと等いろいろごめんなさい。

あと全然知ってたって人もごめんなさい。

 

*1:メジャーどころで例外を挙げると、EDMとかによくある異様に存在感のあるスネアだったり、クラップ音(音がよく響くホールの真ん中でスリッパを床に叩きつけるような音)だったりがあります。あれは音作りに使っていると言えるでしょう。

*2:と僕は感じる。

*3:あまりテキストエディターには詳しくないのですが、僕は軽くコードを書いてたときに使ってたAtomというエディターで検索しています。

 もっと適切なものがあるかもしれませんが、PCにデフォルトで入ってるメモ帳やワードパッド等は検索機能が弱いので、それを使うくらいなら適当に別のテキストエディターをインストールした方が捗ります。

*4:元ツイートは既に削除されているのでリンクは貼れませんが、 "唐揚げ 爆発" とかで検索すればどんなものか出てくると思います。

*5:正確には拡張編集プラグイン標準機能の力。

*6:あくまでも個人の感想。

*7:個人の感想です。

*8:タイムラインでは上にくる方のこと。

*9:利用前にお読みください.txt

*10:G2サンセリフオンリーの動画だったり、ロゴラインやらゴナIN(?)やら使ってる動画だったり。

*11:"範"は収録されているが、"疇"は収録されていない。

*12:僕が軽く調べた限りでは883012182(ツイートURLの末尾)が最古